蔵 IKADA(昭和12年 建造)Kura IKADA

1年かけて修復し1階は『多摩川 筏流しの歴史』、2階はギャラリー『烏田賢治イラスト展』を行っています。蔵2階天井には上棟式に使われた矢が残されていました。頭部がオオカミ、胴がミノガメの珍しいものです。ご自由にご覧下さい。

蔵 二階天井
棟上式の矢 頭部が狼のミノガメ

『冬至』 高村ムカタ作 木版画

1階『多摩川 筏流しの歴史』

 

 

 御岳山は、多くの人々が関東周辺から参拝や登山で足を運ぶ東京都有数の観光地です。

その麓には、多摩川が脈々と流れ、悠久の時の流れを偲(しの)ばせます。その多摩川は、かつて筏流しを行っていた川でした。

天領(てんりょう)(※1)であった青梅・奥多摩は、江戸時代以前から、都に建築材としての木材を供給してきた産地でした。山々から産み出される木材を伐採し、それを筏に組み立てて川の流れを利用し、多摩川河口(現 大田区六郷)まで流し運んでいました。

そこからは、海上の筏師が木場へ運んでいました。当時は整備された道はなく、川は木材を運ぶ格好の輸送手段でした。ここ御岳の地も、筏を組んで流す重要な場所のひとつでした。昭和の初期頃までは半纏(はんてん)に簑(みの)笠(かさ)を被った筏乗りが棹(さお)を操(あやつ)り、川を下る姿が冬の日常の光景でした(筏流しの最盛期は冬)。その歴史は300年以上続き、多摩川の流れと共に都の人々の暮らしに重要な木材を運んできました。

また筏乗り達は、下る度に町場を豪遊し活気付ける立役者でもありました。筏流しの多摩川河口貯木場には、着飾った大勢の女性達が到着を待ちわびていた話が残っています。江戸っ子の「宵(よい)越(ごし)しの銭は持たぬ」はまさに筏流しに付けられた台詞(せりふ)の様です。

(※2)現在、多摩川上流沿いには材木店が在りますが、かつての筏師(いかだし)の拠点で筏流しの出発点となった場所であったことは、あまり知られていません。現在でも御岳周辺には、筏師を生業とされていた方々のご子孫のお宅があります。

本展では、長年にわたり多摩川筏流しを研究されておられ、また筏乗りであった祖父を持つ福島和夫氏からご協力を頂き、氏の著作『多摩川最後の筏乗り 高野(たかの)近太郎(ちかたろう)翁の聞き書き』を基に展示を行いました。

この展示が実現出来ました事を、ここに深く感謝致します。※1 天領(てんりょう):徳川の直轄(ちょっかつ)地※2 筏流しは危険を伴(ともな)うため、主に若者の仕事でした。                                                            

 

2階ギャラリー『烏田賢治イラスト展』

 

蔵 IKADAでは、店舗 炭鳥 IKADAの開店記念としまして、烏田賢治遺作展を開催しています。烏田(からすだ)賢治(けんじ)は、HONDA(本田技研工業株式会社)の各種製品のカタログ、ポスター、カレンダーなどの制作を行う(株)東京グラフィックデザイナーズ(ホンダ スーパーカブの広告がスタート)のディレクターの仕事をしていましたが、2013年に病のため51歳で他界しました。

彼が従事した、ホンダ社の仕事は、今でもネット情報で見ることができます。また、烏田が個人的に描いていたイラストも大変魅力的なものでした。仕事柄、作品を発表することはありませんでしたが、他界した後に150点余りの作品が自宅のパソコンから見つかりました。

生前、烏田は帰宅後、好きだった麦酒を飲みながらパソコンを使い制作を行っていました。

作品の大半は、人物や猫を題材にした日常の何気ない光景を描いたものでした。どの作品も詩的に感じさせる画風が面白くもあり、楽しくもあり、怖くもあり、悲しくもあり、切なくもあり、不思議と心に飛び込んできます。

ただ、あくまでもパソコンで描いたもので、原画は水彩で描いた作品1枚しか残っていませんでした。そのため、展示作品は画像データを印刷し、額装したものとなりました。

今回 蔵 IKADAでは、烏田みどり夫人のご厚意により、烏田作品から20点を選び展示いたしました。 

烏田の表現豊かな作品を、どうぞお楽しみ下さい。

最後に、ご協力頂きましたみどり夫人をはじめ皆様方には深く感謝を申し上げます。

無題 Untitled  2008年
十戒 Ten Commandments   2009年                              
窯変 change in a Kiln   2007年
停泊 In a port  2007年
ムック17歳 Mook is 17 years old  2007年
無題 Untitled  2008年
プール  Pool  2006年
蚊 Mosquito  2006年
スポーツカー Sports car 2007年
ふたり Beloved You 2007年
ハスの花 Lotus flower 2006年
水玉の女 Woman of polka dots  2008年

烏田賢治 略歴

1962年 山口県萩市生まれ(3月15日生)1984年 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒 セントラルコア(株)・現コモンズ(株)入社グライックデザイナーとして横浜ゴム、トーヨータイヤ、協和発酵などの広告デザイン制作を担当 1990年 (株)東京グラフィックデザイナーズ入社アートディレクターとしてHONDA(本田技研工業株式会社)の汎用二輪、四輪のセールスプロモーションのグラフィックデザインを担当  2005年 この頃から自宅でパソコンを使いイラストの制作を始める(PC:iMac G5、Soft:Adobe Photoshop) 2013年 東京医科歯科大学医学部付属病院にて腺様嚢胞癌の ため7月9日に逝去(享年51歳)

主な仕事 HONDA(本田技研工業株式会社)カタログ、ポスター:アコード、フィット、クロス ロード、ドマーニ、タクト(二輪) カレンダー:各種促進製品、ホンダ総合カレンダー  ・横浜ゴム株式会社タイヤ広告:GRAND PRIX M3、ADVAN、ASPEC・協和発酵キリン株式会社ビール広告:クローネンブルグ

烏田賢治作品集制作 イラストレーター 城谷 俊也氏

www.instagram.com/toshiyashirotani/

併設コーナー 烏田賢治の仲間たち

クジラ型飛行船 城谷俊也

www.creema.jp/c/kikaigyo

くじらのシーソー 松浦  功 ※ポストカード販売中@¥150

ミルクの飲み方 古川じゅんこ

furujun.jimdo.com/profile-1/